散銭(ちりせん)
散銭(ちりせん)
中国の占いの書「算命学」には、「散銭」という言葉がある。散銭とは文字通り、カネを散らすことである。持っているカネを失うことである。
これは、「厄落とし」における「散財(さんざい)」と似ている。すなわち、損をして、得によって得たエネルギーを減らすことである。
ただし、散財の場合、それはアクシデントによるものだが、散銭はそれを意識的に行なうのだ。しかしそれは、何かを買うのでは散銭にはならない。それでは、物とカネを交換しただけで、損したことにはならないからだ。
また、ギヤンブルなどでカネをするのも、それは散財ではあるが散銭にはならない。なぜなら、それはカネと快楽を交換したことだからである。
散銭とは、見返りを求めず、純粋にカネを相手に与えてしまうことである。たとえば、寄付、お布施、などがそれにあたる。また、金銭でなくても、たとえばボランティアなどの労力なども、この散銭に当たる。
そしてまた、世話になった人に、金品でお礼するのも、この散銭にあたる。すなわち、散銭とは好意あるいは愛を表現する行為なのである。